個人で不動産業を開業するために選択しなければならないことの一つにハトさんかウサギさんを選ぶ必要がある。 お店のマスコットの話ではない。 不動産業を開業するためには営業保証金の供託もしくは保証協会への加入をしなければならない。 これは、取引でなにか問題があった場合の顧客保護のためにその賠償に当てるためのお金を法務局へ1000万円供託するか、もしくは2つある保証協会のどちらかへ加入し60万円の弁済業務保証金分担金を納付するかのを決めなければなりません。 通常個人で開業する場合は1000万円用意するのは難しいので、保証協会に加入することになるのだが、その保証協会は2つしかなくて、一つはウサギがトレードマークの全日本不動産協会、もう一つがハトがトレードマークの全国宅地建物取引業協会連合会となる。 以降はウサギさん、ハトさんとする。 基本的にはどちらも大まかな機能は変わりないが、それぞれ微妙に違うので、素人が開業するときのサポート含めて両協会に直接聞いてみた。
会員数が多いのは圧倒的にハトさんである。 街の不動産を見てみればわかるが、明らかにハトのマークを掲げた不動産屋が多い。 ただ、ウサギさんで聞いたのだが、最近の入会数はそれほど大きな差はないそうだ。 歴史が古いのはウサギさんらしいのだが、最近の新規開店はウサギさんも負けておらず大体半分半分だそうだ。 そういう新規の不動産屋は路面に面してというよりも、ビルの高層階や奥まったところが多く、目につきにくいとのことだった。 それと面白い話はハトさんは都道府県という単位でそれぞれ独立した法人だということだった。 実務上何か大きな違いがあるというわけではないのだが、仮に東京から埼玉に拠点を移す場合は、別途入会金とかの費用が追加される。 ウサギさんは全国で1法人なので少ない手数料で済むとのこと。 まぁ、そうそう拠点変えなんてことはないので、心配することではないが、別々の法人だとシステム化がまとまらず、業務のネットIT化がハトさんは遅れているとのこと。 こんな話は実際に聞いてみなければわからないので興味深い。
それぞれの会員の特徴だが、すごく大雑把にいうとビジネスライクで事業拡大を優先するのがウサギさん、横のつながりとかエリアでの仲間意識の強いのがハトさんだそうだ。 この話はハトさんからの話なので鵜呑みにはできないが、これも面白い話だ。 ただ、ハトさんは会員数の多さや、先の都道府県単位の法人という話からも、地域、仲間意識が高いことが窺われる。 未経験の参入者にとっては心強い。 実際話をしてくれた人もとても親切に丁寧に相談に乗ってくれた。
また、これはどちらにも共通しているのだが、過去に会員数が伸び悩んだのは、入会時に会員の紹介や保証が必要だったことを挙げている。 どちらの協会も同じことを口にしたのは驚いた。 ただ、これは現在は紹介は不要とのこと。
さて、ウサギかハトかどちらにするかは、もう少し悩んでみることにするが、こういう協会が日本に2つしか存在しないことが問題だと思うのだが。。。。