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女王の相続税

先日日経新聞に英女王の相続に関する記事が載っていました。 想像どおり、その遺産は莫大なもので、宮殿などの不動産を始め、絵画などのコレクションといったもので、それらはすべて配偶者であるチャールズ3世国王へと相続されるそうです。 個人資産は約600億円ほどとみられているが、この相続をまともに課税するとイギリスでは40%の相続税率だそうなので、240億もの相続税がかかることになります。 もちろん、女王の場合は相続税免除なので、実際には相続税を支払うことはありませんが、この数字だけでも、いろいろな妄想を掻き立てるのは十分だと思います。 

 ところで、600億円という資産額はどう思われたでしょうか? もちろん、我々庶民からすれば膨大な金額ではあるのですが、世界の大富豪から見ればまだまだ序の口といった金額ということになります。 ちなみにフォーブス2022年の調べでは、世界富豪の1位であるいーロンマスク氏の資産額は約27兆円、続いてアマゾンのジェフベソス氏の約21兆円、3位はLVMHのベルナール・アルノー氏で約20兆円となるそうです。 トップのマスク氏からみれば、女王の資産は誤差になってしまいます。 

 では、日本の天皇の資産はいくらでしょうか? 実はほぼ何も無いそうです。 皇居という不動産を所有していればそれなりの額になりますが、実は皇居は天皇の個人資産では無いそうで、国からの貸与という形になるそうです。 ただ、公務による給与は発生し、さらに相続税も発生するそうで、昭和天皇は4億近い相続税を支払ったそうです。 驚いたことに、天皇の相続事情は我々と大きく変わらないのです。 ただ、天皇の権威は世界でも低くなく、アメリカの大統領が空港まで迎えに行くのは、天皇陛下と英国女王だけと言われるくらい高いものです。 権威や権力の大きさと資産の大きさは完全には比例しないことがよくわかる逸話です。 

 以前、なにかの質問で、権力とお金とどちらが欲しいかというものを見かけました。 どちらも持っていない私からすれば、どちらも欲しいがどちらも縁遠いものと切り捨てましたが、実際の大富豪や権力者からすると、この質問はもっと根源的な問いに聞こえていたかもしれませんね。 皆さんは権力がいいですか?それともやっぱりお金ですか? それとも、それとも小さな幸せですか? 全部はナシです。