参議院選挙も終わりましたが、数多くの諸派政党は消費税の減税もしくは廃止を訴えていたようです。 景気回復の起爆剤としての政策なんでしょう。 ある政党では、消費税を廃止するということは、毎日が10%割引きだと同じと言ってましたが、その時ふとFPの勉強で気づいた税金に関する違和感を思い出しました。
皆さんは税金を取られていることはわかっていても、どのような理屈で、どうやって徴収されているかはあまり関心がないと思います。 わたしもそうでしたが、大方のサラリーマンは全自動で納税額が計算され、さらに全自動で振り込みまで完了してしまうというシステムが何十年もまえから設定されいます。 ペイペイとかクレジットカードみたいな最新の決済システムも残高が足りないとか、カードの期限が切れたとか、単なる引き落としもいろいろトラブルがありますが、納税に関しては、少なくともわたしの30年の会社員生活において、一度たりとも税金を払い損ねたことはありません。 まだ、ITが不十分でアナログの時代であっても、税金だけは完璧に支払いをするシステムが構築されていたということです。 少し話がそれましたが、何が言いたいかといえば、税金の基本は稼いだものから引かれるという原則です。 これは江戸時代から変わりません。 江戸の場合は米の出来高に応じて納税するのが基本です。 稼いだお金に課税されるのというのは、現代の所得税と呼ばれるシステムがそれにあたります。 ところが、この”入ってくるお金”にかかる税金でななく、別のお金にかける税金があります。 それが消費税です。 消費税は”出ていくお金”に対して課せられる税金なのです。 ここで、一つ疑問が湧きませんか? 入ってくるお金に対してすでに税金は払っているはずなのに、その残った税金にさらに課税されるって変な感じがしませんか? そうなんです。変なんです(笑)
まぁ、税金の高低の話はここではしませんが、所得税で足りなければ、所得税の税率を上げれば済むことです。 なにも、消費する時、つまり出ていくお金に税金を付加する必要はないはずです。 増税したい分で所得税を増加するれば、大昔から存在するシステムの数字をちょっといじるだけで、徴収が完了します。 それなのに、消費税を導入するということは、現場の手間暇だけでなく、レジやその他の決済システム、それを管理する行政コスト、さまざまな費用をかけなければならないということを意味します。 ではなぜ、所得税の増税ではなくて、消費税なのかといえば、所得にかかわらず、平等に課税できるからが大きな理由ではないでしょうか? もちろん、裏の意味があるかどうかはわかりませんので、ここでは言いませんが、大義名分はきっとそうだと思います。 たとえば、自営業の人はコストの控除額をコントロールしたり、教育や宗教関係は減税されているとか、職業によって所得税が平等とは言いがたいものがあるからです。 消費税であれば、ものを買った人全てに対して平等に課税されるというわけです。 ですから、消費税の存在意義もあるとは思います。 ただ、私が言いたいのは、消費税を上げる場合は、所得税の減税とセットであるべきです。 そもそも、平等を歌うのであれば、所得税の徴収方法を平等にすべきで、できないのであれば、所得税を減税しなければおかしいのです。 皆さんはどう思いますか?
江戸時代は四公六民、つまり収穫の4割が年貢で取られたそうですが、残った6割に税金にさらに納税の義務があったとは聞いたことがありません。 所得税も社会保険料も含めれば4割近い人も少ないくないと思います。 その上、消費の時に10%取られてしまえば、江戸時代よりも悪い五公五民つまり、5割の年貢を政府に納めることになります。 そろそろ、農民一揆ならぬ、市民蜂起があってもおかしくありません。 これを回避する最高の仕掛けが全自動徴収方法による、納税の無意識化です。 納めている意識をなくしてしまえば、その割合など気になるはずがありません。 どうでしょう、少し税金についても勉強したくなりませんか? やっておいて損はないと思います。
ところで、豆知識ですが、家を買えばもちろん、消費税はかかりますが、実は土地の売買には消費税はかかりません。 何故だかわかりますか? 土地は消費しないからだそうです。 納得するようなしないような。。。