投資事初め

(1) 持株会

 実は投資と言えるものを始めたのは結構早かったと思う。 何かといえば、会社の福利厚生の一貫である持株会である。 入社当時にいろいろな保険や互助システム、財形などいろいろなサービスが用意されている。 もちろん、入社したてで、全く何が良いかわからないので、総務が説明してくれたおすすめをそのまま申し込んだだけだ。 ただ、なんとなく、父親が株式会社に勤めていたせいもあり、他の人よりも少し多めに持株会での積み立てを始めた。 持株会はドルコスト平均法という積立方式をとっており、投資初心者には適切な投資手法と言える。 難しい名前はついているが、簡単に言えば毎月同じ金額で買えるだけ株を買う手法だ。 株価が安くなれば多くの株が買え、高くなれば少なくなる。 それだけだが、特に頭を使う必要がなくても、それなりにリスクヘッジした投資を行うことができる。 投資とは偉そうだが、最初に設定してからは持株会のことも、会社の株価もほぼ気にしたことがなく、ほったらかしを10年近く続けた。 

 そんな持ち株会だが、急にその存在を意識したことがあった。 会社の先輩が持株会で倍になった投資額を下ろして新車を買ったと聞いたからだった。 まさかと思って、持株会の残高を確認したら、驚いたことに本当に投資金額の倍額になっているではないか。 慌てて、引き下ろそうと思って、当時の上司にサインをもらいに行った。(持株会の引き落としも上司のサインが必要だった) で、その時の上司は目玉が¥マークになっている私をみて、「まだ下ろさないようがいいんじゃない? まだまだ上がるよ」とすごい自信で呟きながら、サインをくれた。 その時、はっと我に帰って、改めて考えてみて、売却するのを辞めたのだった。 きっと、会社の上層部に近い上司は何かを知ってそう言っているに違いないと勝手に解釈したからだった。 結果、上司の言う通り株価は順調に上がり、3倍近くまで上昇したのだった。 

 10年くらい経つと、資産形成についての知識も少しづつついてきて、持株会の良さと悪さも少しづつ理解することができた。 メリットはいろいろ会社がサポートをしてくれることだが、デメリットはリスクが集中することだった。つまり、会社の調子が悪くなると、本来の給料が下がる上に、株も下がって資産が減ることだった。 これは勤めている会社にリスク100%と言うことだから、リスクを分散させるためにいったん引き落とすことにしたのだった。 そしてそれを、そのまま日経平均連動の投資信託や少々の日本の個別株に投資することになったのだった。 今思っても無難な選択だと思うが、何故そんなことだできたのか。 それを次回説明したいと思う。

写真:Gerd AltmannによるPixabayからの画像