今回の自転車事故で手術や入院の費用が保険でカバーしてもらえました。 ざっくり全部で三十万円くらいなんですが、これってお得だったのでしょうか?
今回の保険は自動車保険の特約で個人賠償責任というものです。 自転車の事故全般に適用されます。 この特約はたしか年間¥3,000くらいだったと思います。 自動車保険の加入年数は40年くらいになりますが、この特約をつけたのはおそらく25年くらい前と思うので、¥3,000 x 25年 = ¥75,000だから完全に元を取ったといえますが、では保険に入っておいて得だったかというとそれはまた別の話です。
保険はそもそも、確率論に基づいて設計されます。 平均支払い金額 X 発生確率 の値に利益と人件費を含む経費を載せて料金設定されるので、普通に考えれば、被保険者は確率的に損する可能性が高いことになります。 わかりやすい例で言えば、宝くじはほとんどの場合損をしますが、発行元は100%儲かるように金額と賞金を設定するのと同じです。 保険会社は優秀な方が、事故の発生確率などさまざまな要因を分析して保険料を設定するので、われわれど素人はかなうはずがありません。 つまり、今回は確率の低い宝くじにあたったから元は取れましたが、普通は損するものなのです。
確率的に言えば、保険に入ることは損なので、心配だからとう単純な理由で加入すると間違いなく保険会社の養分となってしまいます。 この理屈は全ての保険に当てはまります。 では、全ての保険が必要ないかと言えばそうではありません。
もし起こってしまったら、破産のような致命的なダメージを負うものに関しては保険をかけておいた方が良いのです。 たとえば、任意自動車保険、火災保険などがそれにあたります。 人をひいて数億円なんて賠償金額払えますか? 火災を起こして、数千万の賠償を支払えますか? ということです。 逆に言えば、最悪支払える範囲の支出で済む保険はほぼ不要とも言えます。 代表的なものが医療保険や各種特約などです。
今回はなぜ特約に入っていたかというと、これは自転車で人に怪我をさせた場合が入っているからです。 この保証額はほぼ自動車保険と同等です。 最近ネット上では医療保険不要論がよく言われていますが、私もそれには賛成です。 ただ、止めれば良いというものではなくて、払った気になって貯金してみてください。 もし、なにもなければ自分保険ができ上がります。 毎月一万円積み立てられれば、たった3年で36万円支払われる自分保険が出来上がります。 手続きも不要で、即金で使えて、使わなければ別の用途に使える最強の保険です。 それでも保険に入りますか?
写真:Gerd AltmannによるPixabayからの画像