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変動金利か固定金利の選択方法

 先日日銀総裁が長期金利の0.5%超えを容認したというニュースがありました。 市場は当初は動揺したものの、今は落ち着きを取り戻しているようです。 とはいえ、間違いなく金利上昇の一つの要因になるので、住宅ローンを払っている人や検討している人にとっては心配だと思います。 特に検討している人は、固定金利が良いのか変動金利が良いのか迷ってしまうのではないでしょうか? この状況下でどういう判断をしたら良いか書いてみたいともいます。

 以前、自分自身が自宅の住宅ローンを借りるとき、同じように固定金利にするか変動金利にするか迷ったことがあります。 結果としては半分を固定金利、残りの半分を変動金利として、変動金利分を積極的に繰り上げ返済していきました。 ところが、その後さらに金利は下がっていったため、10年固定金利の変動金利に借り換えをしました。 結論から言えば、初めから全額変動金利の方がお得だったわけだが、それは結果でしかありません。 あの時の判断は間違っていなかったと思います。 
 これはリスクの問題で、固定金利を選択すれば、当初の返済計画が確定し、計画通りに返済していけば、問題になるようなことはありません。 しかし、変動金利を選択すれば、ゼロに近い金利が5%, 6%, 7% と上昇していく危険性があり、その天井はどこなのかも分かりません。 確かバブル期の最高値は8%を超えていたと思います。 ほぼゼロ金利で返済計画を立てていたものが、8%になったとしたら、多くの人が破綻することになるでしょう。 変動金利を選択した場合の取るべきリスクは意外と大きなものです。 しかし、現状の安い変動金利は魅力的です。 では、どういう考え方をすれば良いのでしょうか?

 この問題は、固定金利・変動金利のどちらがお得かという視点で見ると、本質を見失います。 どこまでリスクを取れるかということで、選択をすると手堅い選択ができると思います。 現在の固定金利の額がそれほど苦労せずに払えるのであれば、固定金利を選択しておいた方が無難です。 仮に、金利が変わらずこのまま続いたとしても、当初の計画通りです。 しかし、これとは逆に金利上昇が続いていけば、固定金利を選択しておいた方がお得になります。 問題は金利がさらに下落して固定金利が割高になる場合ですが、現状の下げ切った金利から考えるとその可能性はほぼあり得ません。 ということは、固定金利の返済額に納得がいく、いいかえればこのリスクを取れるのであれば、固定金利の方が合理的と言えると思います。 
 もう少し考えてみると、このリスクを取れない、つまり変動金利の返済額でないと返済計画が立ち行かないならば、間違いなく、変動金利とか固定金利という選択そのものを考えるのではなく、もう少し借入金額を下げれる物件にするか、頭金を貯めて固定金利の額が許容できるまで待つべきと考えます。 
 こう考えると、いずれにせよ固定金利という選択が合理的なように思いますが、いかがでしょう? しかしながら、どっちがお得かではなく、どこまでリスクを取れるかで考えるほうが良いとわかっていても、人間なかなかその判断ができないものです。 固定金利の返済額が高くなるは金額そのものではなく、そういう損をする判断をしたことに人は悔やんだり、人から何かを言われると思ってしまうからです。 でも、問題はお金の問題で、悔しいとか残念だとかいう気持ちの問題ではありません。 
 念のため言っておきますが、固定金利の方がお得とは言っていません。 金銭的にはどちらが良いかは誰もわからないのです。 ただ、取るべきリスクの大きさは選択できます。 その上で、どちらが良いかを考えるべきだと思っています。 とは言え、とは言え。。。。どうしますか?