2021年初春
そもそも手術を受けようと思ったきっかけは、今年の初めに酷い鼻詰まりがあってからだった。 鼻詰まりは今に始まったことではない。 もうずっとのことで、病気だとは思っていなかった。 しかし今年の尋常でなかった。 まず、1ヶ月も続いたことと、鼻をかんでも全く鼻が通じることがないので、口呼吸で喉が渇き、睡眠に支障が出たことだった。 それでもまだいつかは治ると思っていたので、耳鼻科にいって薬をもらったら少しは改善した。 しかしここで大きな問題にぶち当たる。 匂いがしないのだ。 匂いがしないと味も曖昧になり、甘い、辛いとかはわかるのだが、微妙な味がわからない。 コーヒーのうまいまずいは全くわからない。五感の中で最もなくなっても良いものが嗅覚と思っていたが、その影響度は想像していたものよりも遥かに大きい。 なんというか、生活に色がなくなってしまった感じだ。 これはショックだった。
それともう一つ理由がある。 それは5年ほど前から患っている咳喘息だった。 これはステロイドの吸引をすれば、治るのだが、また少しするとぶり返す。 医者には吸引を続けるように言われるが、いつ辞めても良いかも言われない。 はっきりは言わないが、ずっと続けることのようだ。 なんだか、どんどん薬漬けになっていくようで嫌だったが、歳なのだからと仕方ないと思っていた。 しかし、鼻詰まりの件で調べ物をした時にある事実を見つけた。 鼻詰まりの原因として副鼻腔炎があるのは知っていたが、その副鼻腔炎にも種類があって、好酸球性副鼻腔炎というのはなんと喘息を併発するのがよくあるのだそうだ。まさか、これではなかろうかと思い、専門の医者を尋ねたところ勧められたのが手術ということだった。 来年会社を辞めることになるので、やるなら今のうちと思ったのも一つの理由だ。 そして手術当日を迎える。