早期退職への道

(8) 人の意見

 会社をやめるという決定は自分だけではできない。 子供はいないので、妻に相談しなければならないが、そこはそんなに心配はしていなかった。 結果、予想通り特に反対されることもなかった。 そういう家族の理解は本当に心強い。 家計の安定で言えば、最後まで勤め上げた方がはるかに確実だ。 この件に関しては、脱サラを検討している人になんの参考になる情報を提供できない。 ただ、家族の理解は、ほぼお金の問題さえ目処が経っていれば解決するはずだ。 だからこそ、収支シミュレーションはきちんとやって、説明できるようにすることは重要だと思う。 誰だって、会社から自由になり、好きなことをやってみたいだろう。 本人だけはその覚悟もすることができるかもしれない。 ただ、最終的には本人そして家族の幸せのためなのだから、家族の納得は大事にした方が良いと思っている。 こういう時に普段からの関係がものを言うのだろう。 

 家族の了解は得られたので、他の人の意見も聞いてみたくなった。 会社を卒業した先輩や、数少ない友人たちに相談してみた。 おおむね年配者ほど、退職することに同意してくれて、若い人ほど反対の意見を頂戴した。 この結果はなかなか面白い。 人の相談をしつつも、自分の立場に置き換えて考えてみたりするからこうなるのではないかと推測している。  若い人はまだまだこれからの人生を生き抜く不安を持っていて、退職された先輩はなんとかなるのを実際に経験してるからではないだろうか。  夢は人に語る方が良いと言う人も、語らぬ方が良いと言う人がいる。 前者は自分の決意をより強固なものにするためであり、後者は否定されることにより、気持ちがネガティブになることを避けるもためと聞く。 ただ、こう言う迷っている場合はやっぱり色々な人の意見を聞いてみた方が良いと思っている。 もっとも、最後は冷静に自分で判断することがもっとも重要なのは言うまでもない。 

写真:Joseph Redfield NinoによるPixabayからの画像