前回は物件探しまでお話ししたと思います。
古い不動産屋の内見テクニックとして、松竹梅の物件を梅竹松の順番で見せて、最後の”松”で、決め台詞の「もうこんな物件でませんよ」で落とすというものがありますが、もちろんそんなことはしません(笑) お客様の大切な時間を無駄にしないためにも、時間効率のもっとも高い方法で回っていきます。 面影橋不動産の方針として、物件は多く見れば見るほど良いと思っていて、希望する予算とエリアでの相場感が養われ、本当の意味での掘り出し物を即決できるようになります。 一般的な不動産屋の言う「掘り出し物」は掘り出し物ではなく、「これで早く決めてほしい」「これを何とか貸したい」というお客様の視点ではなく、業者の視点での掘り出し物である場合がほとんどです。 そんな風に、唯一無二の物件といわれるとどうしても焦ってしまい、正しい判断ができなくなるのが一番の問題です。 よく、どうしてこんなところに住んでいるのという人がいますが、聞いてみると大体は不動産が勧めてくれたからという理由が多いです。 そうならないためにも、数多くの物件をじっくり見てほしいと思います。 とはいえ、一回目で気に入ってしまう場合もあるので、その時は、迷わず決めてしまえばよいと思います。 どんな物件が良いかは、不動産屋ではなく、住む人が決めるものだと思っています。 本当に気に入る物件は、見た瞬間にピンとくるものです。 これは、夫婦ならば、どちらか一方ではなく、2人でピンとくるものを探せばよいのです。 時間をかければ、必ず見つかるものです。 急いでいる時は妥協も仕方ありませんが、そうでないときは、じっくり観ることをお勧めします。
内見の際にもう一つ気を付けているのが、物件や土地のデメリットを指摘することです。 良いところは、お客様が判断できますが、悪いところはなかなか見えないものです。 物件のデメリットをきちんとしてきて、提示することこそ、プロの役目と思うからです。 そのデメリットを理解したうえで、判断すれば、それほど大きな間違いはないはずです。
内見で、気に入った物件があり、そこに決めた後は契約となります。 手続きなどは、面影橋不動産が特殊なものでもないので、どこでやっても大きな差はないと思いますが、一番の違いは、重要事項説明や契約のチェックをして、きになるところは説明するというのを心がけています。 「退去時のクリーニングは借主持ち」とか、契約書に書いてあったりしますが、本来は経年劣化のクリーニングは貸主の責任です。 ただ、普通の人はそんなことは良くわからないので、契約書にそのままサインしてしまいますが、本来払わなくてもよいものを払う羽目になったりします。 ただ、先のクリーニング費用の件はよくある特約で珍しいものではありません。 ただ、知って契約するのと、知らないで契約するのでは違いが大きいです。 そいうことの背景や意味をしっかり理解していただくよう心がけています。
無事、契約に至った場合は、基本的にそこで貸主側の業者の仕事は終わりますが、ここから面影橋不動産は”おせっかい”を焼きます(笑) 物件の特性に合わせた家具や設備はどんなものが良いかとか、夜道の歩く経路だとか、おいしい飲食店だとか、生活に関係する知っていることはできる限りお伝えして、新生活を少しでも充実したものとなっていただくようにしています。 今回は、こちらも大変気持ちよくご契約いただけたので、さらにカーテンや収納雑貨などのお買い物まで手伝ってしまいました。 まぁ、ここまでは、必ずやるとお約束はできませんが、そんなこともあるのです。 社内では、「親戚のおじさん、おばさんのようなサービス」と言ったりしています。 近親者ほどではないですが、たまに会うことがある親戚くらいの気持ちで対応するということです。 なによりも、「あなたがいるべき場所を見つける」ためになればと思っているのです。