開業奮闘日誌

(32) 役所もチーム

 媒介契約書を交わすと次にやることが、物件のレインズの登録だ。 レインズとは現在在庫となっている物件を業者間で共有し、不動産の売買、賃貸を活性化させるとともに、情報の透明化を図るものだ。 業者はこのレインズに上がった物件を見て、自分の顧客に物件を紹介したりする。 そういう意味で、物件の広報活動の第一歩となる手続きとも言える。 このレインズに登録するには、物件の情報をある程度調べなければならない。 謄本を取ったり、インフラ関係を調べたりするのだ。 もちろん、何をするにも初めてのこと。 市役所に行っても勝手がよくわからない。 いい年をして恥ずかしいと思うが、そんなことは言ってられないので、どんどんいろんな人に聞いてみる。 最近の役所の方はみんな親切だ。 このど初心者にも丁寧に教えてくれる。 ある書類を調べるため、ある役所に行くと、これは別の役所で取るものだと教えてもらった。 それだけならよくあるとは思うが、この書類はどこの支所でも取れるが、管轄の支所よりも、**支所のようが近くて早いということまで教えてくれる。 本当に頭が下がる。

 大きな市では、不動産業者が調べるようなことは、一箇所にまとめられてシステマチックに調べることができる。 例えば、謄本、道路、水道などは一箇所で調べることができる。 そこに集まっているのはもちろん不動産業者たちとなる。 初めはみんなベテランで、自分のようにいろいろ聞きながらやっている人はいないのではと、場に圧倒されたが、よくよく見てみると、みんな担当者にいろいろなことを聞きながらやっているのがわかった。 おそらく、不動産は一つ一つ別物で個性があるから、同じ手続きをルーチンのようにやるだけではうまくいかないのだろう。 そういう意味では、手続きに慣れていることよりも、どうやって答えを見つけるのかの聞く能力も重要だと思った。 そうわかってからは、聞くことに躊躇がなくなった。 

 2回目の時は、一人の担当者に聞いたら、知らぬ間に色々な人が関わってくれて3人がかりで一緒に調べてくれたことがあった。 自分の心の中では、勝手に「チーム面影橋不動産」と名付けていた。