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大根に教えてもらったビジネスの種

 5年くらい前から、市民農園を借りて家庭菜園をやっています。 無農薬はもちろん、無肥料、無耕、水やりもない、いわゆる自然農法です。 雑草もバンバン育つので、なかなかうまく育つものは多くないですが、生き残った野菜たちの生命力あふれる味はスーパーで売っているものとは全く違ったものです。 で、今回はこの自然農法についてお話ししたいのではなく、ここで取れた大根を売ったことです。

 今年は農園の更新をしないと決めていたので、最後に大根のみ植えて終わりにしようと思っていました。 今年は豊作の年になり、大量の大根が見事に育ちました。 とりあえず、今回その中の5本をよりすぐり、家の前で1本100円で無人販売をしてみました。 予想では1本でも売れば良いかなと思っていましたが、予想を大きく裏切り、午前中だけで5本すべて完売してしまいました。 合計500円の臨時収入です。 来年からはいよいよ会社を立ち上げ、不動産業を開業する予定ですので、自分の力で稼ぐというよいシミュレーションができました。 もちろん、このことが来年のビジネスのノウハウに何も寄与しませんが、自分がゼロから生み出したものを価値として認めていただき、たとえ、100円でもお客様からお金をいただけたことは何物にも変えがたい感動の体験となりました。 この大根一本を玄関先に並べるには畑を整備して、タネを巻き、雑草をかりながらじっと待って、引き抜くということをするのですから、ビジネスとしては全く割の合わないものですが、自分でコツコツと積み上げて、そして他人の価値を作り出す仕組みは変わらないと思います。 

今までは、会社からこれの何百倍ものお給料をいただいていましたが、この500円はそれとは全く別の感慨をいだかせてくれました。 この本当に小さなビジネススキームを少しづつ積み上げて大きくしていくことこそ、これからやらねばならないことと確信することができました。 この500円はきっと忘れることはないでしょう。