開業奮闘日誌

(14) 街カルテ途中経過1

新しく始めた街カルテも豊島区と新宿区を終えて、3区目の文京区に入った。とりあえず、山手線内の都心を目標にしているが、なかなか骨の折れる作業でもあり、やりがいのある仕事だと思うようになった。 何が骨の折れる作業かというと、現地の取材でどこに境界をもうけるかを決めることと、境界内の町名と番地を特定することだ。 前者の境界の決定はこの調査のキモと思っていて、想像通りだが、後者の町名と番地の特定はやってみて分かったことだ。 特に新宿区はややこしい。 

 当初は1丁目**番地で見るのだからそれほど大変とは思っていなかった。 というのは田舎は区画整理ができていいないので、地番表示だったりして、山川町1320番という住所があったりするのだが、流石に山手線内の都心ではそんなことはないとタカを括っていたのだが、新宿区は町割りが細かく、ほぼ地番のような住所があったりする。 おそらく、行政側はいろいろな町をまとめて、*丁目で割り振ってしまいたかったのだろうけど、住民が元々の地名がなくなるのを嫌がった結果だと想像できる。 こんなところにも、住民意識の地域差があって面白い。 たかが、豊島区と新宿区という狭い範囲でのことだ。 

 こうしたことからも、土地とそこに住む人は、本当に小さい範囲で一つの集合体を形成し、個性を生む。 同じ日本人で東京に住む人が住民なのに、街の個性は様々だ。 これは土地が何一つ同じ場所がなく、さまざまな特徴を持つことと、人は一人一人個性をもって違うということに起因するのだろう。 だからこそ、人それぞれにあった土地は異なるのが当たり前であって、それを選ぶお手伝いをすることは不動産屋として大事な仕事だと思っている。まさに「あなたのいるべき場所を見つけます」という弊社のコンセプトそのものなのだ。 ついでに、自転車に乗るリハビリにもなっている。