早期退職への道

(30) シニアの就活 中間報告 その2

 なんだか、予想外に面白い展開になってきた。 前回、一次面接を通過したところまでは話した。 結論から言えばまだ結果は出ていない。 しかし、少し当初の予定とは違う動きとなっている。 まず、一次面接を通過すると、本部長クラスとの最終面接があった。 基本的にはこれで、合否が決まるのだが、実はそれは無事通過した。 だけど、話は終わっていない。 最終面接は非常にいい感じで終了した。これはこちらの感覚だけでなく、先方もそうだったであろうことは確信できる。 そのあと結果を待つ身だったのだが、こちらから動いてみることにした。 面接が終わった後、人材紹介会社の担当からは合格した場合の就職の可能性を聞かれた。 正直、そこはまだ決断がついたわけではない。 そもそも、就職したい願望が強かったわけではないが、予想外に順調に推移して戸惑っているのだ。 であれば、その思いをそのまま正直に伝えてみようと思ったのだ。 そこで、こちらから人材派遣会社にどういう状況ならば就職する気があるのかを書いてみたのだった。

 この話の骨子は、必ずしもシニアが正社員としての就職を希望しているわけではないということ、つまり、時間を拘束されることで、安定した収入を確保できることがお互いのメリットにならないことだ。 正社員であることを引退したとしても、企業のために働くことを否定したわけではない。 単に、がまんと時間を捧げることで報酬をもらうことは耐えられなかっただけだ。 ならば、少なくとも時間を拘束されるのは、今後の活動に大きく支障をきたす。 だから、まず、契約を年単位にして、日々の活動も、業務以外の時間は他の職業含め自由に活動できるようにする。 業務の評価は結果のみとして、過程は評価に入れない、というものだ。 これはまさにプロスポーツ選手そのもので、実績をのこせば、それ以外は何をやっても自由。 ただし、実績を残せなければ来年の契約はないというもの。 こうすることで、会社側はいつでも雇用をやめることができるし、また永遠に継続することもできる。 働く側も、他の自分の活動に合わせて、仕事量を調整できるというわけだ。 

 こんな具合に、希望を人材紹介会社に渡して、先方の感触を打診してもらうことにした。 まぁ、半分はお断りみたいな内容だが、とにかくここから先は変に気をもたせるよりも、お互いが腹を割っ話すべきと思い。 正直にこちらの条件を書いてみたのだった。 おそらく反応は、そんな対応は難しい、正社員として働く気があるかと問われるのと思ったが、結果は違った。 この後にあった人事採用の担当者からは、この私の希望についての聞き取りがあり、社で検討するとのことだった。 まさか、ほんとうにこちらの希望を検討してくれるとも思っていなかったので、ちょっと驚いた。 今後どういう展開になるのか、自分の気持ちも含めてわからなくなってきた。 面白くなってきた。