投資事初め

(15) 不動産投資

 以前Topicで古家投資の見学会の話をした。 今回は、見学ではなく、まさに物件の調査の集まりに参加した。 今回の物件は東京から1時間ちょいかかる郊外の戸建て物件。 正直、それほど需要のあるところとは思えない。 駅からは歩いて10分くらいだが、そもそも駅前に何の商店もないようなところで少し心配になる。 しかし、物件の周りは意外と整然とした綺麗な街並みの住宅街が広がっていて、環境は悪くない。 事前の調査で河川の氾濫のハザードエリアであり、最悪は2メートルくらいの冠水を覚悟しなければならない地域だ。 用途地域は第一種低層住居専用地域なので、問題ない。 さて、肝心の物件だが、築年数は30年以上で、空き家で放置されて10年以上経っているとのこと。 軒が壊れたり、庭木が雑然としているが、家そのものはしっかりしていそうだ。 田舎ではあるものの、上下水は完備されているのでその点も安心だが、この郊外で駐車場がないのは残念だ。 屋内は残留物もそのままなので、床周りは状況すらよく分からないが、壁や天井は意外と綺麗だ。 特に2階の天井に雨漏りの跡がないのは幸いだ。 周辺の戸建て賃貸の相場を調べようにも、対象となる物件が少ないので、よく分からないが、大体6−7万円くらいのようだ。 リフォームの費用はざっと400万円台となりそうなので、物件の値段も相当下がらなければなかなか難しい。 このような物件をどう考えますか? 

 仮に6万円で貸し出しとなると、利回りを15%取ろうと思うと、投資額は480万円出なければ、成立しない。リフォーム費用が400万円台ということは、物件価格がほとんど残らないとういことになる。 最近は郊外の古家といえども、15%取れる案件はまれで、12%とれれば御の字というのが、相場だそうだ。 市況としては理解できるものの、自分自身の投資案件としてはやはり心許ない。 人口減少、空室リスクを考慮しても”最低”15%は欲しいと思う。 ということで、今回は見送ることにした。 同時に見に行ったもう一件の戸建ては、ここよりもずっと綺麗で場所もよく、リフォーム費用も少なかったが、それでも利回りは12%がやっとだ。 でも、購入希望者は複数人いて即日購入申し込みをされていたのは驚いた。 確かに安値ではあるが数百万円の買い物を、一見しただけで即決できるとすると、事前に登記とか取り寄せて調べて、さらに資金繰りの計画やPLくらいは作成しているはずなのだが、それができているようにはみえなかった。 

 今回は、不動産投資を始めたいと思っている投資家がいっぱいいることがわかったし、スピードが勝負ということもわかった。 ただ、正直まともに判断している人が多いわけではないので、その場の雰囲気に飲まれてはダメだと思った。 そのためには、物件の事前調査と資金計画は必須だと肝に命じた。 また、次回が楽しみだ。

画像:2541163によるPixabayからの画像