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ラジオ体操

50も過ぎて久しく、お決まりのように肩を回すと痛みを覚えるようになりました。 怪我をした時のリハビリの先生に、「ラジオ体操」はリハビリだけでなく、体に良い動きがいっぱい詰まっていると聞いたので、動けるようになってから、毎朝続けるようにしていました。 すると、ずっと痛かった肩から痛みが取れ、とても良い感じになってきて驚きました。 そんなことから、ラジオ体操を見直し、継続しようと思っていたところ、区民報にラジオ体操の講習会があると聞いて、行ってみることにしました。

講習会といっても、誰向けなのかよくわかりません。 いわゆる師範代を養成するものなのか、一般の人がより効率よくやるためなのかわからなかったのですが、とりあえずは参加してみることにしてみました。 このラジオ体操という昭和の遺物が令和の今でも健在なのは驚きですが、やはりそこに関わる人はどっぷり昭和の人が多いようです。 申し込みの方法もWebやスマホではなくて、電話をかけるの一択です。 名前と連絡先を言えば申し込み完了ですが、そもそも電話に出たおばあちゃんはちゃんと聞き取れてるのかおぼつかない対応で心配していました。 が、その予感は的中し、当日、受付で名前を言ってもそんな名前で予約はないと言われました。 ただ、そこは適当なので、何事もなかったようにリストに名前を書き込んでOKということになりました。 参加者はほとんどが、毎朝地域ごとに公園などで行われているラジオ体操の参加者で、顔馴染みです。 年齢は若くて70代。90代とおっしゃっていた人もいました。 もちろん、わたしのような50代など1人もいません。 明らかに浮いています。 まぁ、女性ばかりのスイーツが売りの喫茶店でも1人で入れますから、そんなに気にはしませんが、周りから見ると不思議に見えたかもしれません。

講師の方は、区のラジオ体操委員会?の会長と副会長です。 この講師と一緒にラジオ体操をしながら、勘所を解説してもらう用にして進めて行きます。 もちろん、この講師も70代以上の大先輩なので、かなりアバウトです。 時たま、駄洒落を織り込んだりしてきますが、ラジオ体操第二の時に、第一の解説をしたり、その逆も多々あり、体操歴の長い生徒さんから時折ツッコミを入れられたりして、もうめちゃくちゃです。 平日の昼間にこうやってみんなで楽しみながら、区の施設で体操するのも良い暇つぶしかもしれません。 わたしも含めて、今日何かをやらなくちゃいけないと追われている人は1人もいなかったと思います。 この会場となった場所は、区の集会所のようなところで、手芸教室や絵画、囲碁将棋などいろいろな活動が行われれいます。 定年後のお年寄りには、無料で楽しめる格好の場所だと思いますが、なんとなく、これは子供にとっての学校と同じように見えてくるのが不思議です。 授業こそありませんが、毎日同じ場所に通って、同じ仲間と遊んで帰る。 人間はまた生まれた頃へと逆戻りするのかもしれませんね。 自分もこのまま何もしないで、こう言うところで、仲間を作って過ごすこともできるはずでですが、なぜかあまり羨ましくありません。 わたしはやはり、何か仕事をすることで社会と関わっていきたいと改めて思い直しました。

今回、ラジオ体操教室に参加して思ったのは、参加しているお年寄りの姿勢が良いことでした。 杖をついている人もいれば、なんとなく歩きかたがぎこちない人もいます。 でも比較的背筋が伸びて歩いているのです。 会長や副会長に至っては、ステップも軽やかで70代とは思えない足捌きです。 それだけでも、ラジオ体操を続けていこうと思い直しました。