今朝の新聞に副業を解禁するように、政府が企業側に促す方針という記事が出てました。 日本の一般的な企業は副業を禁止するところが多いです。 わたしの勤めていた会社もそうでした。 面白いのは、副業は禁止なのだが、株や債権などの金融商品の収入や賃貸不動産オーナーとしての賃貸料の収入とかはお咎めがありませんでした。 おそらく、いわゆる不労所得は“不労“なので、本業を阻害しないから、もしくはそもそも代々不動産資産を持っている家系で、入ってきてしまうからしょうがないなのではと想像していますが、真相は分かりません。 聞いた話ですが、面白いのは著作権はNGだったとのことです。 趣味の延長で書いた本が売れて、それなりに著作権料が入ってきたので、真面目に会社に相談したら、NGの判断だったと聞きました。 著作権は作業後は“不労“だけど、その前に執筆という“労働“をしていたからでしょうか? 理由はよくわかりません。
不動産を勉強するとわかるのですが、不動産所得もアパートをほったらかしにしておけば良いと言うものではなく、賃貸人の募集や入居してからの管理など意外とやることは多く、これが“不労“とはとても言い難いです。 銀行で、こういう収益物件を買うためにお金を借りるときに、“不動産投資“と言ってはダメで、“不動産経営“と言わないと貸してくれないと言う話があります。 まぁ、これは銀行が買ってほったらかしではなくて、ちゃんと入居者のために管理して収益をちゃんと上げる努力をしろと言うことなのでしょうが、これも不動産収入が“不労“で得られないことを物語っているように思います。
昔から思っていたのですが、そもそもなんで会社は副業を禁止できるのか不思議でした。 そんな権利はないはずです。 ちゃんと労働しない、会社の機密やノウハウが漏れる、ライバル会社に影響するとかは禁止するのはわかります。 ただ、副業そのものを禁止するのはちょっと度が過ぎているように思います。 副業したからといって、本業を手を抜くとか、機密が漏れるとかは、人がそうするに決まっていると決めつけているからにほかななりません。 そうではなくて、副業してようが、して無かろうが、本業の手を抜いたり、機密を漏らしたりしてはいけないのです。 その上で、副業をやろうがやらまいが、それは本人の勝手で、会社にそれを制限する権利はないと思うのです。 今回の政府の方針は当たり前と言えば当たり前の話だと思います。
では、どうして副業を禁止するということになっているかといえば、わたしは人を信用するとかしないではなく、その本業をサボるとか、生産性が落ちるということをちゃんと評価できないからだと思っています。 もう少し言うと評価できないわけではないが、そういう人の給料を下げるとか、雇用を切るとかができないためではないでしょうか? それは終身雇用の制度からくるもので、日本の人事制度の特徴から生まれた制度ではないかと想像しています。 仮にきちんと成果を挙げる社員に対しては報酬を上げたり、そうでない社員は、もっとフレキシブルに給料を下げたり首を切れるような雇用形態を作れば、副業をやっていようがなかろうがどうでもいいことだと思うのです。
入社した頃、販売会社で実習した時に、店長が新人の担当営業に言っていたことがあります。
「一生懸命頑張らなくていいよ。 売ってくれさえすれば」
ちょっと極端かもしれませんが、最終的にはこう言うことだと思います。 喫茶店でサボっていようが、自宅でゲームをしてようが、売上を上げてくれればそれで良い。 逆に言えば、毎日、顧客のデータ管理を整理して、1日に百件電話して、チラシや訪問を頑張っても、契約が取れなければ意味がないと言うことです。
副業の解禁は、収入源が増えると言うこともありますが、本業含めて労働の真価が問われることになるかもしれません。