投資事初め

(13) ポートフォリオ

 前回リスクとリターンについてお話しした時に、リスクを減らしつつ、リターンを増やす堅実な方法が、ポートフォリをつまり分散投資することだという話をした。 「卵を一つのカゴに盛らない」というのは投資をする上での非常に有名な格言だが、まさにそんのことである。 しかし、ただ卵をもう一つの別のカゴだが、隣にある全く同じカゴに持っても効果は少ない。 できれば、別の場所で違う形をしたカゴのほうが、卵を守る可能性は高くなる。 これは感覚的に理解していただけると思う。 投資も同じで、全く同じ値動きをする2つの株に投資するよりも、常に異なった動きをする2つの株に投資した方がリスク分散になるということだ。 ただし、リターンは同じ動きをする2つの株の方が大きくなる可能性は高い、もちろん大きく値下がりする可能性も高いわけだ。 前回も申し上げたが、大きな視点でいう、ハイリスクハイリターン、ローリスクローリターンの原則は変わらない。

この別の動きをするというものは投資で言えば、株と債権(現金)みたいな2つの組み合わせのことが言える。 では、この株と債権の比率を幾つにすれば良いかという議論は様々なところでなされているが、その投資家の属性に大きく影響を及ぼす。 たとえば、人生の晩年で資産を増やすことよりも、使うことの方が重要なステージでは、当然株の比率は最小限になるだろうし、逆に若い世代は稼ぐ力も自信も高いので、株の比率が高められるということだ。 ざっくり考えればそれは年齢とともに変わると言っても良い。 よくある適切なポートフォリを比率は 100ー年齢 の%を株で持つと良いと言われている。 例えば40歳の人ならば 100 – 40 = 60%を株で持ち、残りの40%を債権や現金などの堅実なものにするという方法である。 この方法は概ね正しいと考えられるので、これを基準に自分の属性を考慮して変動させていくのが現実的だ。 ある方程式で簡単に求めることは無理だと思っておいた方が良い。 ただし、きちんと分散されていれば、どのような比率であってもそれほど大きな問題とならないとも言える。 ちなみに私は、最低限65歳までの生活費を確保した残りの範囲で、最大限のリスク商品に投資する予定だ。 そのリスク商品の中で分散投資をしていければ良いと思っている。 

 おそらく、各自にとっての最適なポートフォリオ は難しい経済学的理論である程度数値化して求められると思うが、その影響はそれほど大きくないと推定される。 そんなことよりも、自分が信じられて、多少の上下でヤキモキしない程度のポートフォリをを組んでいくことの方が重要だと考えている。 資産の大小も大事だが、心安らぐ時間のほうがはるかに大事だと思うからだ。