投資事初め

(12) リスクとリターン

 今日は少し初心者向けの話をしようと思う。 投資の話をする上で、必ず考えなければならないのが、リスクとリターンの関係だ。 で一応、言葉の定義をきちんとしておくが、「リスク」というのは”危険度”ではなくて”変動幅”であることは理解してほしい。 つまり上がったり、下がったりする変動する幅が大きいということだ。 現金は1年後に一万円が二万円になったりしないので、リスクが限りなく小さいということになる。 さて、話をもどすとそのリスクとリターンの関係だが、すべての人が望んでいる投資商品はリスクが小さくリターンが大きいモノであるが、残念ながらそのような商品は存在せず、一般的にはリスクが小さければリターンも小さく、リスクが大きければ、リターンも大きいのが普通だ。 ただし、リスクが大きくリターンが小さいという最悪の商品は存在するので注意は必要だ。 話を戻すと、リスクが小さくてリターンが小さいものの代表例が現金とか債権ということになる。 よくある元本保証の商品はほとんどこれに属するが、ご存知のようにリターンの指標である利回りは今では限りなくゼロに近い。 その反対のリスクが大きくてリターンも大きいのが株式が代表的だ。 これは投資信託やREITも含まれる。もっとハイリスクハイリターンの例で言えば、先物取引とか仮想通貨などがあげられる。 では、その中間のミドルリスクミドルリターンももちろんあるので、自分の取れるリスクの中でも選べば良いということになる。 ただ話はそれでは面白くない。 やはり、少しでもローリスクハイリターンの投資を行いたいのは人情だ。 そんなものはないのかと言えば、実は通常よりも”ちょっと”ローリスク、”ちょっと”ハイリターンのものは存在する。 それは、値段の変動の仕方が異なる複数の商品を組み合わせて、作るいわゆるポートフォリオと呼ばれるものである。 一般的にはハイリスクハイリターンの商品とローリスクローリターンの商品を組み合わせると、ミドルリスクミドルリターンの単一商品よりも少し、リスクが下がって、リターンが増えるのは理論的に証明されている。 では、どういう組み合わせが、良いのかは実は素人が判断するのはとても難しい。 ただ、ここでは一つの投資商品に全部を集中させることはやめた方が良いということは覚えておいて欲しい。 またそいうものをあらかじめ組み合わせてパッケージにした商品を存在する。 オールインワンとかファンドオブファンズとか言った名前の投資信託だ。 こう言った商品は便利ではあるが、証券会社がどういうポートフォリを組んで、管理するので、手数料が高い。 最近ではちょっと進んで、それをプログラム化して、ロボアドバイザーと呼ばれる商品で、自動化して手数料を下げるものもあるが、それでも手数料は1%くらい取られるので、他のものよりも割高だ。 やはり、できることなら、自分で運用したいものだが、初めのうちはロボアドバイザーでも悪くはないと思っている。 実はわたしもロボアドバイザーの口座を持っている。 実際に投資はしていないが、その公開されているポートフォリオの分配具合を参考にさせていただいているのだ。 こういう商品は買うだけでなく、見るだけでも活用できるので、参考にして欲しい。

 ここまで話して気づいたと思うが、ノーリスクで大きなリターンがもらえるという話がいかに怪しいかに気づいたと思う。 投資は自分が買ったものは誰かが売ったものである。 ノーリスクハイリターンで買ったということは、ノーリスクハイリターンの商品を売る人がいるということだ。普通はそんな商品は成り立たない。 あるとすれば、売る人が騙されているか、ない商品を売付けられている場合がほとんどだ。 いろんなリスクやリターンの話が分からなくても、これだけは注意したい。