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沖縄返還

今年は沖縄の本土復帰50周年だそうですね。 本土復帰したということの記憶はあまりないのですが、車が右側通行から左側通行へ変わって大混乱をしたというニュースは子供の時の記憶に残っています。 72年ですから小学校に入るか入らなかの時ですから、そんなことよりも新学期のワクワク感のほうが大きかったことだと思います。 

 わたしが沖縄の地に初めて足を踏み入れたのはそれから30年近く経ってからです。 逆算すると今から20年近く前ですかね。 ただ、それでも本土とはちがう異文化の感じを十分に感じたのを覚えています。 沖縄へはダイビング目的で行ったのですが、大変幸運だったことに現地でダイビングのお世話になったところが、ウチナーンチュ(沖縄のジモピー)が経営されているところで、そのご自宅でご家族ともどもおつきあいさせていただいたことでした。 おそらく、普通の観光客の何倍も沖縄のことをディープに体験できたと思っています。 一番衝撃だったのは、ファーストフードでおしゃべりをしているおばあたちの会話が一ミリもわからなかったことです。 完全に外国語でした。 青森もそこそこわからなかったが、これほどではありません。 青森どころか、英語よりも聞き取れなかったくらいです(笑)

 沖縄も復帰したとは言え、まだまだ多く残る米軍関係施設は変換されているとは言えません。 陸地だけでなく、空路も米軍の管制下に置かれているそうです。 では、陸地はアメリカの所有かと言えばそうではなくて、土地の所有権はそれぞれの地主などの別の権利者がいます。 初めて沖縄を訪れて、もう一つ不思議だったのだが”軍用地”と呼ばれる不動産売買があったことです。 つまり、これが先の米軍施設の土地の所有権を持つということで、持つことによって賃貸収入が発生することになります。 この賃貸収入目当てに、軍用地が売買されていいるわけです。 米軍が借主ならば、そんなに簡単に空室にはなりません。 安定収入が望めることで人気があるようなのです。 

 日本の昔からある借地借家法は借主の権利が異常なくらい強いものです。 簡単に言えば、賃料さえはらっておけば永遠に借り続けられることができます。 昔、これは戦後の貧しい人々が、住まいを追い出されないように取り決めたと聞いたことがありますが、よくよく考えると、この軍用地のためではないかと思うことがあります。 借主である米国が賃貸料を払い続ければ、”正当な理由”なしに、立ち退きをさせることはできません。 そんな借地法も、定期借地権という法律が追加され、契約の期間で立ち退きを要求できる選択肢も増えました。 しかし、旧法である借地借家法は残ったままです。 大きな改正すらありません。 この理由は貧しい人々のためではなく、米軍のためと勘ぐるのはいきすぎでしょうか? 真相はわかりません。

 都内でも借地権の物件は数多く存在します。 もちろん、米軍が借りているという事ではなくて(そういうところもあるが)、普通の人や寺社が所有している土地です。 こういう借地権は通常の価格よりも安く売買されているので、一つの選択肢として面白いものだと思っています。 とは言え、みなさん所有欲というものは捨て難く、一生借地料を払い続けるのは抵抗があるようです。 ただ、よく考えていただきたいのは、実は日本に完全なる所有権の土地はほぼないということをご存知でしょうか? そう、どんな土地もかならず固定資産税という”借地料”を国に払い続けなければなりません。 (ちょっと言いすぎましたね。山林などでは固定資産税が免除されるものもあります) 周辺の固定資産税の額と、借地料は間違いなく固定資産税のほうが安いことになると思いますが、その差が所有権の物件との価格差よりも小さければ、借地の方がお得と言うことになります。 

 単に借地権というだけで、選択肢を狭めるのはもったいないと思いません?

写真:aranooによるPixabayからの画像