最近、ビバリーヒルズのロデオドライブの一角とマンハッタンを見渡せるブルックリンの港の一部の土地を購入した。 とはいえ、今までの投資成績が急上昇して儲かったわけではない。 ”Earth 2″での話だ。 Earth 2に関してはまた別途お話ししたいが、簡単に言えば、地球上の地図をそっくりコピーした仮想空間である。 世界中の地図をマス目に区切り、区画単位で土地の売買ができるというもの。 いずれは購入した土地?マス目?に建物などが建てられれ、そこでイベントやなんらかの活動ができるというもので、それはまだ完全に実装されていない。 しかし、今のところなんの役にも立っていない仮想空間の土地の売買が活発に行われており、場所によっては数百倍も値上がりしているらしい。
こうした、仮想空間、時流に併せて言えばメタバースは過去からも存在している。 有名なところでは”セカンドライフ”などだ。 一時はこれからはセカンドライフ内で生活するのがメインで実世界が二の次になるとまでいう人もいたし、多くの企業がその仮想空間上に土地を買い、グラフィックでいろいろな建物を建てたと記憶している。 今でも続いているようだが、あまり話題にもならない。 まさに、投資した金額はバブルのように消えてしまったと言える。 バブルは実態のないものに、投資が加熱することを言うが、この仮想空間は冷静に感んがえれば、電子データとプログラムに過ぎない。 だから、こういいった仮想空間に永続的に価値が生まれないと考えるのは早急だと思う。 どのくらいかはわからないが、まちがいなく価値はあると思っている。
わたしが体験した最も古い仮想空間はゲームの中だ。 プレステ2でゲームがネットに繋がり、自宅だけで完結していたゲーム空間が外へ飛び出したのは画期的なことだった。 その良さをよく活用していたゲームに「みんなのゴルフ」、通称”みんゴル”がある。 ファミコン時代からゴルフゲームは存在していたが、このゲームの画期的なことは、ラウンドを同時に日本中の人とコンペしてゲームできたことだった。 コース上にそれぞれのアバターが現れることはなかったが、今までゲームの対戦相手がプログラムだったのに、このゲームでの対戦相手が生身の人間になったことが大きい。 もちろん、一台のゲーム機を挟んでの対戦はあったが、ネットであらゆる場所から参加できたのは画期的なことだったのだ。 そのみんゴルではラウンドしていない間は、街中でアバター同士が会話することもできた。 それが私にとっての初めてのメタの体験だったと言える。
これはとにかく面白かった。 この時に仮想空間の可能性を強く信じるようになり、数年後に「セカンドライフ」が流行り始めたときは、先の誰かのようにリアルワールドが侵食されるのではと本気で思ったほどだった。 が、現実はそうはならなかった。 この原因は私の中では消化し切れていないが、一般的にはその処理能力不足によるソフトウェアの限界と、SNSの発達だと言われている。 では、何億人と言う人が同時に参加できる処理能力を持つ仮想空間をつくれば問題ないかと言えば、それも疑わしい。 なぜなら、SNSもある意味アバターがいないだけで、十分仮想空間と呼ぶことができるからだ。 会話もできるし、画像を共有することもできる。 ここにわざわざデータの地理やアバターが必要かは疑わしい。
この仮想空間の限界に挑戦するのが、メタ、そうフェイスブックのザックバーグ氏だ。 彼はこのアバターがよりリアルに近づくために、ヘッドセットとコントローラーを活用して、手足の動きだけでなく、表情までもシミュレートしようとしている。 個人的には仮想空間のキーポイントはそこではないような気がしているが、この挑戦は大いに買っている。 きっと、なかなかモノにならない仮想空間をSNSを超える価値のあるものにしてくれると信じている。 ここに理屈はない。 IT技術とは突き詰めれば、単なる電気信号だ。 それが今や、自動車産業を遥かに超えて、世界の産業化を支配するまでになった。 これが最終的にどのような形になるかわからないが、仮想空間もより魅力的なものにしていくことはそれほど低い可能性ではないと思っている。
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