投資事初め

(9) 不動産投資

 今現在、不動産の資産は自宅のみである。 ワンルームマンション投資だとか、アパート経営をしているわけではない。 これから不動産業をやろうとしている割にはこの分野の投資額がゼロというのは不思議に思うかもしれない。 今回はこの話を少しして見たいと思いう。

 過去にも不動産投資を検討したことがないかといえば、そうではなく、何度か検討してみたことはあった。 しかし、その都度見送ってきた。 その中でも唯一不動産関連の投資はREITだけだった。 なぜかというと、REITは投資額が小さくて済むというそれだけの理由からだ。 不動産投資を見送ってきた理由はいろいろあるが、最終的には、投資額が大きいということが最大のネックだった。 不動産投資の妙味は比較的安定したリターンとレバレッジだと思っている。 ただ、ワンルームマンション投資でも最低1千万円くらいはするので、仮に借入でそれを賄おうとすると、投資のポートフォリオの中での割合が極端に不動産に偏ることになる。 投資商品を分散させるということとどうしても相反してしまうことで、ずっと躊躇していきた。 
 そして、もう一つの理由がそのリターンだ。 先のワンルームマンションで言えば、都内であれば表面利回りはよくても5%くらいで、実質利回りだとさらに低い。 投資額が大きく、さらに株などと違って管理に対して手間もかかる。 安定しているとは言え、空室リスク、現物ならではの修繕メンテナンス費用、流動性も低く株のようにすぐに手放すこともできない。 その上、リターンあS&P500の平均利回り7%を下回るのでは、なかなか一歩を踏み出すことができなかった。 

 投資額の大きさと、リターンの少なさで不動産投資を敬遠してきたわけだが、逆に言えばこの二つを解決できれば、やってみる価値はある。 そもそも、不動産には興味があるので、やってみたいのだ。 例えば、地方のアパートや戸建てであれば一千万円以下の物件などごろごろある。 そういう物件であれば、利回りも10%くらいは狙える。 もちろん、そのかわりに都心のワンルームに比べて、空室リスクなどが上がるのだが、それは物件の選球眼とリフォームなどでカバーすることができるはずだ。 また、そういったことが面白そうと思っている。 不動産の投資のもう一つの面白さは、自分の力で投資商品を変化させられることだ。 株や債権は買った後に、会社の方針や事業を変えたりすることはできない。(余程の大株主なら可能だが) しかし、不動産の場合は賃貸料だけでなく、管理メンテナンスをしっかりしたり、リフォームして水回り改善したり、壁紙を変えたりすることができる。 もちろん、その分費用はかかってしまうが、それを上回るリターンがあれば問題ない。 これが、不動産は投資でなくて、経営と言われる所以だ。 だからこそ、今後はチャンスがあれば、どんどんチャレンジしたい投資のひとつと思っている。

写真:Laura ShawによるPixabayからの画像