早期退職への道

(19) 退職と離婚

先日同じ早期退職制度を使って退職した仲間と食事をする機会があった。 理由はそれぞれあれど、基本的には同じで、将来へのお金の最低限の目処が立つこと、そして、今の仕事を続ける気がないこと、この二つが退職を決めた理由となるようだった。 もちろん、それはわたしも同じだ。 お金の話はともかく、50代になると人生の残りの時間を意識するようになる。 その上で、今の仕事を続ける価値があるかどうかは、若い時のとりあえず仕事をするという曖昧な気持ちでは決められないほど、シビアな問題となる。 逆に言えば、50代以降も仕事に情熱を注いでその価値を感じる人は、とても幸せなことだと思う。 これは、本人の努力や考え方、運もあるかもしれないが、会社がそういうシニアをどう扱うかも大きい。 就職はよく結婚に例えられるが、退職も離婚と同様で、会社との関係性が重要だといる。

別の仲間での話になるが、退職後に会社のOB会に入会するかという話題になった。 わたしはそんなに深く考えずに、”とりあえず” 入会しておいたが、その先輩たちは、迷わず入会しないという選択をした。 理由を聞くと、これ以降も会社のしがらみを引きずりたく無いとのこと。 当然、OB会には元上司や先輩がウサウサいるわけで、そのOB会では自分が一番若年者となる。 つまり、新入社員みたいなものだ。なんだか、また新たな会社ヒエラルキーを背負うような気もしないでも無い。 そう考えると、せっかく会社との距離をおいたのにまた昔のしがらみを引きずるのはどうかと思ってしまうのも理解できる。 この辺の気持ちは会社やその仲間との関係性により、人それぞれなのだろう。

会社との結婚生活はどうだっただろうか。 わたしの場合は悪くはなかったと思う。 嫌いなわけでも無い。 ただ、それぞれの価値観の方向性がずれてきてしまったのだ。
やはり、離婚のときの言い訳と似ている。