最近は米国株とかFIREだとか、投資に関する話題が多いような気がする。 Youtubeで投資関係の検索をするとそれこそ山のように出てくる。 だいたいそこで語られているのは、初心者はコツコツ毎月、S&P500のような米国株インデックス投資や全世界ETF投資を勧められるようなものだ。 理屈は、15年以上の長期て積み立てた場合、過去の歴史から損をする可能性は低く、通常であれば7%くらいの運用利回りを期待できるからだ。 一般的に、経済発展している国であれば、別に米国株にこだわる必要はない。 日本株だってEUだって構わない。ただ、現状は米国ばいちばん経済成長が堅実で成長がきたいできるから、米国株を勧めているのだ。 では、いまなぜ、そういったYoutubeが増えてきたかと言えば、この投資方法で成功した人が増たということが言える。 では、なぜそうなのかを考えると、これは単純に、過去10年くらいの相場が上向きで良かったからに他ならない。 大体、5、6年前くらいに投資を始めた人は、よほど下手なことをしなければ、誰でも利益が出ているはずだ。 その時に、数百万円くらい投資できていれば、それなりに大きな含み益があるはずで、その状態であれば、Youtubeなどの自己紹介欄に、インデックス投資をして成功したと堂々と書けるはずだ。 つまり、ものすごく大雑把に言えば、投資系の動画がふえたのは、過去数年の相場が良かったことに他ならない。 急に投資の勉強が進んだとか、新たな手法が生まれたわけではない。 わたしが投資を始めた20年前も、インデックス投資が最強と言われたいたのだから。
で、こうした動画をみて、コツコツと米国株の積立投資を始めた人も多いだろう。 10年、20年という長期でみればきっと資産形成が進み、うまくいけばFIREできるかもしれないと期待して始めると思う。 ただ、そのマインドは私が20年前にインデックス投資を始めたマインドと大差はない。 違いは日本株のインデックスか米国かの違いだ。 きっと、こう書くと日本株なんかに投資したのが間違いだというだろう。 その通りである。 ただ、当時の感覚は、バブル崩壊後底にあった日本株が少し持ち直した感じで、これ以上底はないという状況で、まだまだ日本企業も元気があった時代だ。 そう、あとは上がるしかないという環境だと思っていたのだ。 ところが結果は、リーマンショック前に一時的に揚げ相場になるものの、結局リーマンショックでバブルがはじけ、10数年の長期投資であったが、利益はほぼ出ないどころか、損失まで出てしまった。 この時の落胆した気持ちがわかるだろうか? 先月投資して、今月株価が落ちて損をしたというのなら、また持ち直す気持ちもできる。 長期投資をしてコツコツインデックス株に積立投資をして、それを10年以上続けた上で、結果利益が出ない時の落胆を今投資を始めた人にうまく説明できない。 そして、株をいったん手放したら、数年後から日経平均もじわじわ上昇し現在に至ることになる。
長期投資は下落しても途中で下ろしたらだめだ。 そういうマインドでやっているから、そういうことになるというかもしれない。 反論はしない。 その通りだ。覚悟が足りないと言えばその通りである。 ただ、10年以上も自分の人生の一部を犠牲にして信じてきたことの裏切りは、なかなか普通のメンタルではいられないことは理解してほしい。 特に、自分で投資方法を勉強し、研究して、自分なりの答えを出してきた人は尚更だ。 軽い気持ちでやったのではない。 調べた上で、リスクを承知でやったばあいほど、その落胆は大きいと思う。
今後、10数年米国株がどうなるかは誰にもわからない。 過去の実績から言えば20年くらい持てば、ある程度の結果が出ることもわかっている。 ただ、未来のことは誰にもわからない。 これから20年、史上初めて米国株が低迷するかもしれない可能性は誰も否定できない。 それは全世界株だって同じだ。 では、どうすればよいか? それは、資産形成を株だけに頼るなということだ。 元金は、ほぼなしで、毎年数百万円のリターンを確実に稼げる投資方法があるをご存知だろうか? それは”労働”という、自分の体と時間を投資することで得られる投資方法だ。 株式みたいな投資方法やめて、堅実に働けと言っているのではない。 あらゆるリスク対応で、是非投資もやった方が良いと思っている。 ただ、それだけではなくて、自分で稼ぐ力を同時に大きくしていったほうが良いと言っているのである。
長期の下落傾向で、じっと耐えられるのは株だけでない何かを持っている人だけだと思っている。 人はそれほどメンタルが強くない。 自分で稼げる、資産を持っているなどがあれば、そんな悪環境にも耐えられる。 ただ、自分が人よりも勉強して、長期投資とは何かをわかっているという単純な自信だけだと、多くの人が途中で投げ出してしまうことをお話ししておく。 そもそも、インデックス投資という手法が、リスク分散を基本としていることを思い出してほしい。 だからこそ、投資だけでなく労働ということも注目してほしいのだ。 毎年積立できる額さえ稼げれば、労働はそこそこでよいというのではなく、もっと労働そのものを大事にしてほしい。 単純に出世を狙えとかいうのではない。 せっかく労働するのなら、やっていることで満足感が得られるものであって、時間を犠牲と思わないようなものを探してほしい。 会社内になければ、副業だってかまわない。 そうすれば、もっとリスクヘッジしつつ、充実した人生が送れるのではないだろうか。
写真:Gerd AltmannによるPixabayからの画像