投資事初め

(4) インデックス投資

 今回はインデックス投資についてもう少し触れよう。 ここでいうインデックス投資とは日経平均やTOPIX、米国株で言えばダウ平均やS&P500などに連動した投資信託やETFに投資することを指す。 つまり、市場そのもの平均に投資するわけで、こういった投資をよく「市場に投資する」と言われるのはそのためだ。 で、このインデックス投資を中心にやっていくことになったのだが、20年近く前では、日経平均などの日本株以外のそういった投信やETFはなかなか買うことが難しく、自然と日経平均連動の商品から選ぶことになる。 その時の自分の着眼点は口座から天引きの状態にしたいのと、配当を再投資したかったので、ETFではなく投信から選ぶことになった。 そもそも、市場連動なのだから、証券会社やファンドマネージャーの手腕よりも、手数料が最安値の方が良いと思い、さがしたところ、そこそこ積極的に運用もするが、手数料は安い「さわかみファンド」を利用することにした。

 さて、このさわかみファンドだが、その値動きはほぼ日経平均と連動する。 ただし、形状は積極的に銘柄入れ替えや売買をするアクティブファンドだ。 ということは、リスクは多めだが、それでも市場平均よりも上のパフォーマンスをめざすことになるので、それなりに期待することになる。 

 さわかみファンドに口座を開くと、ある一定期間で運用実績をしめす冊子が送られてくる。 当然、株式市場なのだから、相場が悪くなることもあれば、良い時もある。 しかし、この冊子にはかならず、「大きな船で航海にでたと思って」というような言葉が書かれている。 つまり、ずっと持っておけばいつかは大きくなるということなのだろう。 それがまさにインデックス投資の考え方だった。 このインデックス投資に勝てるファンドマネージャーは数%しかいないので、そのレベルにないと思う素人はインデックス投資が王道と言われている。

 始めた当初は、それこそ大船に乗ったつもりでコツコツ投資を続けたが、バブル崩壊後にはじめ、リーマンショックを経験したあとで計算すると、残念ながらほとんど利益は出ていなかった。 そして、なによりもショックだったのが、日経平均よりもパフォーマンスが低いという事実だった。 これには堪えた。 10数年続けた、積み立てをいったんやめて、2つの日経平均連動ETFへ変えようと思っい、退会したら、そのあとお約束の通り値上がりを始めた。 株とはそういうものである。

 今は米国のS&P500に連動する投信やETFが流行っていると聞くが、必ずしも4%以上の利回りが得られるわけではないことを、十分覚悟してやってほしいと思う。 運が悪ければ現状維持はおろか、損をすることも珍しくない。 やってみればわかるが、下落するようならば売ってしまえば良いと思うかもしれないが、なかなかそんなことはできないのは、経験を積めばだれでもわかることだ。 特に日経平均は当てにならない。 ここ2、3年で投資を始めた初心者はぜひこのことを肝に銘じておいてほしいい。 いろいろなノウハウ本や動画などがあふれているが、市場はいつだって気まぐれである。 そして、現状どういう相場なのかわからないものである。 日本の株式市場のもっとも不幸な10年に投資し続けた不運はどうにもならないし、これからがそうなる可能性も否定できない。 投資はテクニカルな分析力と同時に運も必要だ。 でもそれは、コントロールできる者ではないことを認識しておくことだ。

写真:Gerd AltmannによるPixabayからの画像