闘病記(骨盤&肘骨折)

(22) 退院

2022年2月26日 土曜日 入院22日目

いよいよ退院の日となった。約3週間だから、自己最長記録を更新したことになる。 だが、以前ほど長かったという印象はない。 前回は仕事が忙しかったこともあって、こうやって1日何も考えずにのんびりできるのが、嬉しかったが、2週間目に入ると暇を持て余してすぐに帰りたくなった。 今回は最初からここでの生活のペースを掴むことができて、それほど暇というわけでもなく過ごすことができたのが大きい。 

 先生の診察が午前中にあった。 腰の骨はレントゲンでは見えずらくなってきているようだ。 ただ、これが骨がついたかどうかは別で、クラックはかなり奥の方なので、慎重に対処することには違いはない。 肘の方はレントゲンではっきり見えるくらい回復が見られる。 今日で固定は外すことになった。 ただし、急激な力は思わぬ悪さをするかもしれないので、何事もじわっとゆっくり力をかけるように言われる。 固定がなくなっただけでも、相当身軽になった気がする。 ただ、どことなく不安定な感じもする。 徐々に慣れていくことだろう。 

 退院は午後3時で、妻が迎えにきてくれた。 病室にたまった、荷物は一人で持ち切れないほど多くなった。 着替えやITグッズ類、毛布やフリース、ヘルパーの買ってきた五個セットのトイレットペーパ残り四個。 荷物は増やさないようにしていたつもりだが、3週間も”住んで”いればそれなりに荷物は増える。 一人では持ちきれないので、リハビリのトレーナーに持ってきてもらった。 どうやら見送りは彼の仕事らしい。 受付で精算をしてタクシーで帰宅した。

 家での生活はなにが何ができなくて、何ができるかわからないため一つ一つが冒険だ。 予想通りのものが階段の下りだ。 最初に降りた時は危うく転げ落ちそうになった。 まさに、トレーナーの心配していた通りに悪くなって逆戻りするパターンになるところだった。 逆に上りはそれほど難しくはなかった。 階段の下りは松葉杖を2本つかうよりも、手すりと松葉杖1本のほうが安心感があることがわかった。 ただ、この場合問題が一つあって、1本の松葉杖でおりると、降りた後や登るときに松葉杖が一本足らない。 なんとかして、2本をもって降りなければならないので、2本重ねて1本として使うことにした。 難しいかなと思ったが、意外とこなせた。 

 料理は事前に妻が色々準備をしてくれていたので、ほんとうに久しぶりの食事を家で取ることができた。 そして、これも久しぶりのビールは格別に美味しかった。 家に帰るといろいろやることがあって、それを一つ一つこなしていかなければならない。 まだまだ、冒険は続く。