闘病記(骨盤&肘骨折)

(15) ホッチキスの抜糸

2022年2月19日 土曜日 入院15日目

 今日は肘の傷の抜糸を行った。 抜糸と言っても糸ではない。最近はまさにホッチキスの針だ。 自分では傷口を見ることはできないので、どういう状況になっているのかわからなかったが、抜糸で取られていくものは金属のトレーにチャリンチャリンと金属の音を立てていく。 腕にホッチキスが少なくとも10個くらい打ち込まれているのを想像すると、気絶しそうになった。 多少痛みはあるものの、簡単にホッチキスはとれて、抜糸は完了した。 体に打ち込むモノだからさぞかし特殊なモノだろうと、先生に聞いてみたら。 チタンとかではなく、ただのステンレスとのこと。 まさにホッチキス! よほど細かいところやデリケートな場所以外はこれで済ますとのこと。 流石に顔には打ち込まないらしい。 リアルフランケンシュタインになっちゃうからね。

 いつものようにベッドに腰掛けて、タイピングをしていて気づいたことがある。 ふと足元を見ると、なんと足を組んでいるではないか。 もちろん、あまりいい姿勢ではないので、すぐにやめたが、自然とやっているところが回復を感じさせる。 毎日少しづつ改善していくのは達成感があって良いものだ。

 今日は配給の日。つまり、妻の差し入れの日である。 今日の差し入れは食べ物が豪勢だった。 大粒のあまおうと麗紅という品種のみかんである。 なんで、こんなものが差し入れられたかというと、これは実はふるさと納税の返礼品である。 美味しいフルーツを冬場に食べたいと思い、秋口に申し込んだものが、ここ数日で立て続けに届いたのだ。 もう少し遅ければ、たっぷり自宅で堪能できたのだが、これをまさか病室でいただくことになるとは、思ってもみなかった。 今年はいちごのできももう一つとかでしたが、十分に甘くて水水しくて美味しかった。 病院の半分凍ったようなフルーツしか食べてなかったからだろうか? いずれにせよ、美味しかったのだからそれでよしとしよう。

 リハビリはいつものように、肘中心だった。 だんだん可動域が大きくなり、今日の進歩は不完全ながら、髪を後ろでゴムで束ねることができたことだ。 これで、ボサボサの髪がまとめられるのは嬉しい。が、病室に戻ると、まだ固定の板を点けるので、一人でやるのはまだ無理だった。 でもまたひとつできることが増えた。 歩行の練習はバーを使ってやるのだが、手でしっかりささえればゆっくりだけど、歩みを進めることができる。 初めの頃の一歩前に出すことだけが怖かった段階は確実に超えてきている。 今やリハビリの時間はご飯の次に楽しみな時間になってきた。 でも、ご飯は超えられない。

写真:Ulrike LeoneによるPixabayからの画像