闘病記(骨盤&肘骨折)

(13) 社長秘書

2022年2月17日 木曜日 入院13日目

 病院生活も自分である程度移動できるようになると、今の時代ITの力を借りてほぼなんでもできるようなる。 本はネットで電子書籍ですぐに読めるし、オンラインで講義やミーティングにも参加できる。 制限があるのは発言ができないということくらいだろうか? ほぼ、屋内での生活は健常のころと大差なくなってくる。 その上、病院では食事は出てくるどころか、据え膳、上げ膳で手間いらず。 体も拭いてくれたり、ベッド周りも毎日掃除をしてくれる。 若い女性がお水を組んでくれたり、お茶を入れてくれたりもするから、秘書を雇っているようなものだ。 こんなことで、社長気分を味わえるとは自分でもびっくりである。 なるほどTさんやIさんがここにいたがるのもよくわかる。 ただ、自分がこの一畳の空間に閉じ込められればの話である。 会社は時間と我慢をささげてお給料をもらえるが、病院は空間を制限されることで、ホスピタリティを得られる。 何かを犠牲にしないと、何かをえられない原則は変わらない。 

 今日のリハビリは松葉杖を使って再チャレンジ。 トレーナーはバーを使っての歩行訓練を考えていたようだが、こちらから松葉杖を使ってやってみたいとリクエストしてみた。 自分的には早く家での移動が自力でできることを証明したかったのだ。 以前、右の足指を骨折した際に教わった、松葉杖の使い方は、手を伸ばして、体を浮かすように使うというものだった。 そのやり方にすると、確かに手の疲れは小さい。 しかし、右手が骨折している今の状況では結構辛い。 で、暫定的に脇に乗っかるようにして使うのはどうかと聞いてみると、これはやっぱりお勧めできないとのこと。 仕方がないので、脇で挟むようにして使ってみるとまぁまぁ、行けることがわかった。 とてつもなく遅いスピードだが、0から1はどんな時も同じで、大変だが大きな一歩となる。 明日はもっと上手くできる。 そんなふうに毎日を過ごせる今は少しイイかも。

写真:SCYによるPixabayからの画像