闘病記(骨盤&肘骨折)

(10) 牢屋主

2022年2月14日 月曜日 入院10日目

 今日は朝から、右肘のレントゲン写真とCTの撮影を行った。 レントゲン室は1Fにあるので、1週間ぶりの3階脱出になる。 とにかく少しでも、移動の距離が増えるのはうれしいものだ。 ただ、CTだけはいつまで経っても好きになれない。 今回の顔が出るかを確認させていただいた。昨日から、Iさんの後に新しい人が入ってきた。 声の感じからしても年寄りではなさそうだ。 ハキハキとしていて、礼儀正しい。 どうやら、鎖骨を骨折し、今日手術を受けるみたいだ。だんだん、自分が牢屋主みたいな気分になってきた。 向こうからすれば、窓際のずっと篭りっきりのおじさんは一体何者?と思われているかもしれない。 おい、新入り、でかいツラすんなよと、心の中で牢屋主ごっこをしてみるが、実際には顔すら合わすことはない。 不思議なほどに、病室内でもコミュニケーションはゼロだ。 ここはおそらく、男性と女性の違いがあると思う。 以前母親が入院した時には隣の患者さんの息子さんの大学入試が失敗したことまで知っていた。 こんなところも、実は牢屋と似ていて、過去の傷は詮索しないものだったりして。 牢屋も病院も早く出るに越したことはない。 今の望みは、新入りがいびきのない人であればと思っている。

 体の調子は悪くない。 右肘も少しくらいなら荷重をかけてもなんともないし、骨盤の方も、ベッドの上でできる体位はほぼできるようになった。 右骨盤を下にしての寝転びも痛くはない。 とにかく、腕さえ使えるようになれば、車椅子でも松葉杖でも足の代替する方法が広がるので、右肘の回復が順調なのはありがたい。 今回のCTやレントゲンの結果を医師から聞く際に退院のタイミングを持ちかけて行きたいと思う。