闘病記(骨盤&肘骨折)

(4) リハビリ開始

2022年2月8日火曜日 入院4日目

 あまりよく寝れず、ぼんやりした中で6時の起床時間を迎えた。 いきなり部屋の電気がついて、おはようございますと看護師の元気な声で叩き起こされる。 ほぼ、軍隊と同じ。 今日からリハビリがスタートする。 手術後1日目にリハビリなんかできるのかと思いきや、指の動きをリハビリするのだそうだ。 こうやって、キーボードを打てているということは、そんなにも指の動きに困っていないわけだが、どういうことをするのかと楽しみにしている。 リハビリは午後3時から始まった。

 好青年という感じの若い男性がリハビリのトレーナーで、物腰も柔らかく、言葉使いも丁寧で、サービス業というものをよくわかっている感じがする。 こういうサービスは個人的には絶対男性が良いと思っている。 例えば、飛行機のCAもそう、看護師もそう、経験上男性は丁寧で優しい。 ぜひ看護師の領域にも男性進出をお願いしたい。

 で、リハビリに話を戻すと、指を開いたり、閉じたりする簡単なものだった。 ただ、意外だったのは指を反るまで開くことをしていなかったので、そういう動きが鈍い。事前に閉じたり開いたりのコソ練はしていたのだが、思いっきり開くことはやっていなかったので、隙をつかれた。 リハビリの先生はなんでも、自転車に興味があるようで、ママチャリで職場まで行ってみたエピソードを話してくれた。 お尻が痛くなった理由を、ママチャリは全体重をお尻で支える構造だからそうなると教えてあげたら、ひどく納得していた。

 今日はもう一つ面白い話を。 そうあの手術でわたしの前だった2番目の人だ。 ここではTさんと呼ぼう。 Tさんは手術まえに点滴をうけていた際に、一日中看護師やヘルパーさんに「この点滴は落ちていないじゃないか?」と聞きまくっていた。 挙句の果てには自分で立ち上がって確認しようとして、看護師に怒られていて、とにかくそのことが気になっていたようだ。 なんで、そんなにも点滴を気にしているのかわからなかったが、ベテランの看護師はそれを見抜き、Tさんにこう言った。 「事件で入れた空気はこんな量ではなく、全然多いから、点滴がちょっと途切れたくらいで気にしないで」 それ以降Tさんが点滴について、文句をいうことはなかった。 さすがである。 そして、Tさんはあの事件を気にしていたのかと納得する。

 Tさんは今日も不思議な行動をとったようだ、カーテン越しなので、何が起こったかわからないが、若い看護師が、「何やっているんですか」とすっ飛んできた。 会話から推測するに、リクライニングで起き上がったベットから落ちそうになっているようだった。 Tさんは今日の午後になっても、麻酔でぼーっとしてるとのこと。そのせいかどうかわからないが、慌てた看護師とTさんのやりとりが面白くそれだけでも退屈な時間を消費することができたのは感謝。 Tさんはきっと好奇心旺盛で、トイレも一人で行けないくせに、ベッドの向こう側がどうなっているか気になってしょうがないらしい。 おそらく、それが怪我の原因と見た。