不動産コラム

早大生が住むべき場所

 面影橋からも程近い、早稲田大学に通う学生さんが住むべき場所を初回のテーマにしてみました。(2020年8月現在)

実は一番良い場所は簡単です。 できうる限り学校に近い場所です。身も蓋もないですね。 でも、通学時間が短いっていうのは思っている以上に重要です。 例えば毎日片道10分通学時間に差がある2人がいたとすると、一日で20分、一月20日とすると400分、つまり6.7時間です。 仮にこの時間をアルバイトに費やすとしたならば、時給1000円とすると 6700円毎月差がつくということです。 10分遠くに住むということは毎月6700円損しているということになります。 これは最低で本来は7時間はもっと価値の高いものにすることができるのはいうまでもありません。

で、早稲田大学の周りはアパートもいっぱいあって住む環境も悪くありません。ただ、あまりに近いと学校とプライベートの切り替えが曖昧になったり、友達の溜まり場になったりと弊害もあります。 その辺を分かった上で住む分には問題ないと思うので、そういう方は周辺に住むのが良いと思います。 ただ、面影橋不動産の提案としてはちょっと面白くないので、少なくとも一駅は公共交通機関を利用するという前提でベストスポットを提案していきたいと思います。

まず、早稲田大学周辺の駅やバス停は4つあります。 もっともポピュラーなものが東京メトロ東西線の早稲田駅、そして東京サクラトラム(都電荒川線)という路面電車の駅である早稲田。 バスで言えば都バスの早稲田と早大正門の二つ。 まずはこれらの路線に乗り換えなしでいける場所を考えてみましょう。

 最初に東西線から検証してみましょう。 東西線は中野から西船橋の全長約30kmの東京でも老舗の路線。 朝の通勤は混雑度が高く、乗り換え時間短縮のために通常の電車よりも扉が2倍ほど広いほど。 当然運行方数も多く、駅から出発した電車の最後端が見えなくなったら、次の最前端がみえるほど過密ダイヤとなっていて、待ち時間はほぼないに等しいと考えて構わない。

東西線のすべての駅の一人暮らし用のアパート・マンションの平均家賃と学校から駅までの徒歩、電車の乗車時間、平均待ち時間(12時台)の1ヶ月分の往復時間を損失時間として金額換算し(1時間¥1,000)、それに対して1ヶ月の通学定期料金を合計した金額を比較してみると以下のような結果になった。

 1位はダントツで 落合駅の¥101,550 、2位はちょっと離れて 西葛西駅の¥114,690、3位はそれに続いて 南行徳駅の¥116,350 となりました。 本当は早稲田が一番なのですが、これも学校から4分以上歩く場所になると落合駅に負けてしまうということで、落合駅がコスパ最高の場所だということがわかります。 落合駅って知ってました? この駅のメリットはまだあるのですが、それはこの後説明していきます。

 では次に東京サクラトラムこと都電荒川線(逆か?)を検証していきたいと思います。 都電荒川線とは地下鉄や一般の私鉄ではなくて、いわゆる路面電車です。 東京で唯一生き残った路面電車ということで、昭和の香りがいまでもたっぷり残った情緒あふれる路線です。 路線が微妙なところを通っていることもあって、東京の人でも乗ったことのない人は少なくありません。 乗るとわかるのですが、スタイルはほぼバスそのものです。 運転手が道路状況を判断して運行管理していく様は、システム化された普通の鉄道にくらべて、なかなかみていて面白いものがあります。 そんな自己完結型の交通なので、東日本大震災の際にはもっとも復旧が早く、たしか2時間後に運転を再開してました。 (広島の路面電車は原爆投下後の3日後に運転再開したそうです) 路面電車って実はタフなんです。 ちょっと脱線。

 東西線のときと同じように都電荒川線のランキングを見てみましょう。 が、その前に荒川線の検証をしていたときに一つ気づいたことがあるので、それを書いておきます。 東西線の場合、運賃は1ヶ月の通学定期料金をもとに計算をしました。 もちろん、距離が増えるとその分定期料金も増加します。(なんと、同一料金区域でも定期料金は微妙に異なる!知らなかった。) しかし、荒川線は都バスと同様に全線同一運賃なので、どの駅からでも定期料金は同じ。 単純に言えば、遠ければ遠いほどお得感が高いということになります。 今回の検証で言えば、近くてもそれほど定期代が下がらないという特徴があることは知っておいて損はないと思います。 だいぶ前置きが長くなりましたね。 では1位です。 鬼子母神前駅の¥100,490です。 落合駅より安いですね。 続いて2位は面影橋駅 ¥101,630。 3位は都電雑司ヶ谷駅の¥104,030という結果になりました。 手前味噌で恐縮ですが、この辺って山手線内側ではこのエリアは比較的コスパ高いんです。 東京には鬼子母神という寺社は2つあって、一つは上野駅近くの入谷の鬼子母神、もう一つがこの池袋の近くの雑司ヶ谷鬼子母神です。 鬼子母神ってじつは池袋にも近いって知ってました?

 それでは最後にバスを見てみましょう。 バスは時間の正確さから鉄道に比べてすこし割り引いて検討した方が良いと思いますが、一応検証してみます。 まず早大目の前がバス停の早大正門からは大きく2系統が出発していますが、そのうちの一つである新宿行きは本数もあまり多くないので実用的ではありません。(時間当たり2本) もう一つは高田馬場駅とのピストンバスで、要するに早大生専用のバスと言って差し支えありません。 このバスは通勤時と言えども渋滞ポイントは少なく定時性も高く実用度は高いのですが、路線がほぼ高田馬場エリアということもあって、正直家賃も安くないので、割愛させていただきます。 残りは早稲田バス停から出る路線ですが、可能性があるのが上58系列の不忍通り経由の上野行きの路線と、飯64系列の小滝橋車庫行きが候補に上がります。(その他は家賃の高いエリアもしくは、本数が少ない) バス停は電車と違っていっぱいあるので、ある程度候補を絞らせてもらうと、上58系列上では 文京区の千石エリア、飯64系列では小滝橋車庫エリアの2つが考えられます。 このうち小滝橋車庫エリアは実は東西線の落合駅と重なっているエリアで、そういう意味で非常に有望です。 つまり、落合駅周辺で小滝橋車庫にちかければ2系との通学経路が可能となり、いろいろな意味で便利というわけです。 東京では過密ダイヤのため、地下鉄が遅延または運行停止となることは少なくありません。 そんなときにバスという代替手段があるのは大きいです。 バス停軸での家賃相場のデータがないので、落合駅を代用してこの小滝橋車庫バス停のコストを計算すると¥121,020と残念ながらちょっとお高め。 理由は二つあって、バスの乗車時間が16分と長いのと、定期券が¥7,560と高いことが挙げられれるのですが、この定期券は23区全域の都バス乗り放題なので、別の価値とみれば安いかも知れません。(都バスは特定区間の定期券を販売していない) とはいえ、メインとする感じではなく、東西線の代替手段として捉えておく方が賢明です。 次に文京区の千石エリアをみてみましょう。 候補となるのがバス停で言うと千石3丁目から2丁目あたり、都営三田線の千石駅近くとなると家賃が高めになるので、そこから10%マイナスと仮定して計算してみると ¥11,1680が総コストとなった。 この辺いい場所なんだけど、落合や鬼子母神とは差が出る結果となってしまいました。

 ということで、ナンバーワン候補は都電荒川線の鬼子母神前駅、続いて東西線の落合駅ということになりました。 このほかにも乗り換えを考慮するとまだほかにもあると思うのですが、乗り換え時間を考えるとおそらく、この2つ以上の場所はないかと思います。(東京は無数の路線が考えられるので、全部を網羅するのは大変です!)

 ということで、長々とお待たせしました。

早大生が住むべきコスパナンバーワンのベストステーションは  都電荒川線の 鬼子母神前駅 となりました。(面影橋不動産調べ)

次回はこの鬼子母神前駅周辺のご案内とさらにどの辺がベストかをご紹介したいと思います。

写真:abade87135607によるPixabayからの画像